医師不足診療科目での負のスパイラル

簡単に医師不足とは言われていますが、今目を向けなければならないのは医師全体の数よりも、医師が集まらない分野なのかもしれません。
もちろん医師全体の数を増やしていく必要はあるものの、診療科目によっては極端に臨床医が不足しているのです。

医師が不足している診療科目では、それによって一人ひとりの医師の負担が大きくなり、その環境に耐えることができず、さらに現場から離れていくという悪循環が起こっています。
この負のスパイラルは何としてでも止めなければなりません。

医師不足診療科目『産婦人科』

特にそれが顕著なのが産婦人科と小児科です。
医師は診療科目に限らずとてもきつい仕事をこなしてはいますが、産婦人科においては子供がいつ産まれるかわからない、母親の容態が急変することも珍しくはない、医療事故が起こる可能性も他の科と比べて高い、こうしたことから医師がこの分野で診療を行うことを敬遠し、それによって医師不足が起こっているという現状があります。

実際に産婦人科は患者やその家族に裁判を起こされてしまうケースも少なくなく、こうした訴訟問題も医師たちをこの分野から遠ざけているのです。

医師不足診療科目『小児科』

小児科も同様のことが言えるでしょう。
少子化が進めば小児科医師は楽になるかと言えば、全くそんなことはありません。
むしろ、子供を持つ母親からの要求は増す一方であり、ちょっとした発熱でも時間帯問わず病院に駆け込む親が増えたため、むしろ多忙さは増してきています。

また、子供は大人とは異なった診療が必要となり、それも決して簡単なものではありません。
成長途中の体に合った診療は非常に難しく、豊富な知識や高度な技能が必要とされます。

その上、もし少しでも問題が生じれば、やはり訴訟を起こされるリスクがつきまとうため、多くの医師がこの診療科目を選択しない傾向が出てきているのです。

男性医師が敬遠する診療科目で活躍する女性医師の存在

主に医師不足が深刻であると言われているこの2つの診療科目ですが、この現状の改善に期待が寄せられているのが女性医師の存在

各診療科目の女性医師の割合を見てみると、皮膚科と眼科、麻酔科に次いで、小児科と産婦人科がとても高い水準となっているのです。
男性医師が敬遠するこの診療科目で女性医師の割合が増えるのはとてもいいことであり、今後もこの割合は増加していくと見られています。

対象患者が妊婦や子供だからこそとも言えますが、患者側にとっても診療を行う医師が女性というのは心強いですし安心感が持てるでしょう。

医師不足そのものは問題がありますが、女性医師がそれを救う未来が待っていると考えれば、決して暗い傾向であるとは言えないのかもしれません。

 Point!

・医師が不足している診療科目では医師の負担が大きくなり離職してしまうという負のスパイラルが起こっている。
・医師不足が顕著なのは生命に関する医療事故が起こる可能性が高い「産婦人科」。
・少子化だからこそ少しのことで訴訟を起こされるリスクが高い「小児科」も敬遠され医師不足が顕著。
・男性医師が敬遠する「産婦人科」と「小児科」では女性医師が診療科目としている割合が高い為、医師不足改善への期待が寄せられている。