医師不足の現状が今後どうなっていくか

医師として現場で働いていれば、医師不足の現状は肌身で感じているはず。
それ故に多忙を極め、転職を考えるという人もいるでしょう。
では、その医師が不足している状態は、今後どうなっていくのでしょうか。

そもそも、国はこの日本の医師が足りない状況を長らく認めてはきませんでした。
むしろ数十年前は医師の数が過剰であると認識し、その数を制限する動きすら見せていたのです。

現在の少子化を招いた状況と少し似ていますが、2000年代に入ってからも決して医師が足りないとは公言せず、ただ地域によって偏りがあるだけだと主張し続けた国や医師会には、非常に重い責任があると言っていいでしょう。

しかし、もちろん現実は違います。
現場レベルで見れば医師が足りない状況は明らかであり、いよいよ国も認めざるを得なくなってきた状況が今現在の医療界なのです。
遅きに失している感は否めませんが、これから国や医師会には十分に医師や医療が供給できるような対策を取ってもらいたいものです。

そもそも、医師不足の原因とは一体どこにあるのでしょうか。
1つ2つの原因で医師の数が足りなくなっているわけではありません。

医師不足の原因①『地域・診療科目の偏り』

もちろん、国や医師会が主張してきたように、地域に偏りがあることもその原因の1つでしょう。
医師は激務であるという認識が広まり、特に医療訴訟が多い診療科目に医師が集まらなくなったことも大きな原因であるとされています。

 

医師不足の原因②『救急外来利用患者の増加に伴う仕事量増加』

一昔前までは少しくらいの体調不良や怪我は家で措置をしていました。
現在ではそれができない家庭が多く、少しの熱でも救急外来を利用する患者が増えたため、それに伴い医師の仕事量が増え、結果的に医師の不足を招いているとも言われています。

医師不足の原因③『女性医師の増加・離職』

女性医師が増えていることも関係があるでしょう。
女性医師が増えることそのものは素晴らしいことですが、結婚や出産、子育てで現場を離れる人も多く、女性医師の割合が増えればそれだけ離職する数も増えるため、医師の数の足りない診療科目などが出てきやすくなると考えられます。

医師国家試験の見直しや女性医師が現場に戻ってきやすい環境を整える、あるいは、そもそも医師の数そのものを増やそうと医学部の定員増加などを国の政策として講じてはいますが、どれでもすぐに結果が出るものではありません。
また、外国医師に頼ろうという動きも国の政策の1つとしてあるものの、やはり根本的な解決策になるとは言えないでしょう。

医師が余るという状況はしばらく訪れることはない、これだけは間違いありません。
国にも早急な対策を期待したいですし、現役の医師にもなんとか堪えてもらいたいものです。

 point!

・「医師が足りていない地域」や「医療訴訟が多い診療科目」は慢性的に医師が不足している為、激務であるという認識が医師不足に拍車をかけている。
・昔に比べ救急外来を利用する患者の増加に伴い、医師1人あたりの仕事量が増えて結果、医師不足を招いている 。
・女性医師は自身の結婚や出産で離職する数が増える為、その穴埋めをする医師が足りていない状態に陥っている。